50年来の友人とランチ。
「聴いてみようと思っていたのだけれど・・・
まだ週3日仕事しているので、65歳からもらえる年金は手続きせず繰り下げているの。
これでいいかな?」
彼女は、大学を出て2年半民間企業に勤めていましたが、
結婚を機にいわゆる専業主婦でした。
塾を経営していた夫は、彼女が63歳の時に亡くなりました。
彼は若いころ数年厚生年金にも加入歴があり、
彼の年金手帳などの資料は、彼女の手元にあるとのことでした。
定年退職後の生活設計を取り上げているコラムでは、
「年金の繰下げ」は大きく取り上げられることが多いです。
令和4年4月以降、
75歳まで繰り下げることができるようになって、その傾向は顕著です。
確かに、公的年金を受け取らない期間の生活が
他の企業年金や個人資産取り崩し等で成り立つのであれば、
一定率増額された年金が生きている限り受け取れる選択肢は魅力的!です。
一考にも値することでしょう。
ただ、「繰下げ」制度を利用できない場合もあります。
66歳前に遺族年金の受給権を得た配偶者は、「繰り下げ」を利用することはできません。
彼女の場合はということ・・・
67歳で亡くなった彼女の夫は、公的年金の受給手続きをまったくしていませんでしたが、
すでに老齢年金の受給権を有していました。
だから、その夫が亡くなった時点で、彼女には遺族厚生年金の受給権ができていたのです。
彼女が66歳になる前のことでしたから、
老齢基礎年金を繰り下げることはできなかったということになります。
さっそく
話を聴いた彼女は年金事務所に行かれました。
「その通りだったよ。
2年半ほどまとめて年金が振り込まれるってさ!
調べたつもりだったけど、バカみたい。」
とLINEが届きました。
年金って、いざ自分のことになると解らなくなるものです。
まして、配偶者との関係で自分の年金にどのような影響があるかは難しい!です。
人生において、たった1回の手続きだから解らなくて当然!
ネットで情報を集めて解決するならOKですが、
年金事務所、街角の年金相談センターなど無料で相談に応じてくれる場所もあります。
身近なプロに「あなたの場合」を相談するのが一番いいです。